沖縄の海に眠る、アメリカの駆逐艦「USSエモンズ」。
太平洋戦争はとても激しい戦争でした。
特に沖縄戦は日本だけでなくアメリカも厳しい戦いだったと聞いています。
沖縄をはじめ、太平洋の海にはかつての日本軍の零戦やアメリカの戦艦が沈んでいます。
その中でも、国内有数の大型沈船がアメリカの駆逐艦USSエモンズ。
日本では戦争のない平和な状況が続いていますが、世界どこかでは今でも行われている戦争。
ダイバーにしか行けない戦争の歴史を感じられる貴重な博物館へ、一度行ってみてはいかがでしょうか。
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- エモンズのダイビングってどんな感じ?
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- エモンズに潜れるシーズンってある?
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- 上級者向けって聞くけど、何本なら潜れるの?
こういった方に向けて、USSエモンズの情報をまとめました。
せっかく沖縄に行ったら、慶良間で潜りましょう。
最高の海があなたを待っていますよ♪
目次
エモンズってどんな船?
エモンズに潜る前に、エモンズってどんな船なのかをおさらい。
USSエモンズは、1941年8月23日に進水したアメリカの駆逐艦です。
駆逐艦(くちくかん、英語: destroyer)は、多様な作戦任務につく重装備・高速の水上戦闘艦。当初は主力艦を護衛して敵の水雷艇を駆逐するための大型水雷艇として登場したが、まもなく水雷艇の代わりにそれ自体が敵艦隊への水雷襲撃を行うようになり、また潜水艦に対する攻撃や偵察・哨戒、船団護衛など、多岐にわたる任務に酷使される便利な艦種に成長していった。
エモンズは空母レンジャーの護衛艦などを経て、1944年に高速船へ改造された。
ハワイなどの軍事演習後、エモンズは4月1日の沖縄上陸に向けて1945年3月19日にヤップ島近くの環礁を出航した。
4月6日に駆逐艦USSロッドマンとともに航行していたUSSエモンズは、日本軍の特攻隊の攻撃に遭い、特攻隊の5機がエモンズに命中。そのうちの1機が弾薬庫を誘爆して大爆発を起こし、左舷船尾と戦闘情報センターが炎上した。
日本軍の襲来を聞きつけて救援に向かったUSSエリソンは、エモンズの曳航を試みるが、爆発の危険があったために断念。爆発後に放置すると日本軍支配下の伊江島に漂着する恐れがあったことから、翌4月7日にはエリソンによる撃沈処分が行われた。
この4月6日の戦いで、エモンズの乗員60名が戦死した。
つまり1945年4月6日のこの場所は、敵対する2つの軍が本気の交戦を行った場所なんです。
戦争中の様子が思い浮かぶので、通常のダイビングと違いウキウキワクワクでは潜れないですが、太平洋戦争は私たちにとって大切な歴史の一つ。当時の戦争を学ぶつもりで潜りましょう。
エモンズはどこにある?
エモンズは沖縄本島にあります。
本島の中でも北部なので、少し遠い。
さてどのように行ったらいいのでしょうか。
沖縄へ行くにはソラシドエアが便利でお値打ちです。
集合する港
エモンズのポイントを潜るときは、古宇利島の漁港から船が出航します。
比較的小さめの漁港で少々わかりにくいですが、橋を渡って道なりに左へカーブした後すぐに左折です。
古宇利島漁港の場所はこちら。
古宇利漁港への行き方
古宇利漁港へ行くにはどうしたらよいのでしょうか。
古宇利漁港へ行くにはレンタカーを借りて自力で行くか、ダイビングショップの送迎をお願いするしかありません。
一応やんばる急行バスが路線バスを出していますが、始発でも本部から出発して10時頃に古宇利島へ到着。ちょっと遅いですね。。
那覇空港からレンタカーで約1.5時間。
高速道路の渋滞はほぼないので、2時間みておけば余裕でしょう。
私は名護に前泊しました。30分程度で到着するのでとても楽ちんでしたよ。
レンタカーを予約するとき、私は主にじゃらんレンタカーを利用しています。
じゃらんレンタカーはいつでも10%割引となるクーポンがでているので、お得に予約できます。
他には、沖縄が本拠地のたびらいレンタカー。
じゃらんにはないコスパのよいレンタカーやさんを選ぶことができますよ。
エモンズのダイビングスタイル
- エモンズを潜るときはどんな感じ?
- エモンズにはいつ潜れるの?
初めてエモンズに行く方には気になる情報ですね。
私が潜る前に調べた情報とガイドさんから伺った情報をまとめました。
エモンズのシーズンは夏~初秋
エモンズは沈船なので、この時期に行かないと無くなってしまう!ということはありません。いつでも船はあります。
ただし、沈んでいるポイントが重要。古宇利島の北東のポイントなので、北風が吹くと潜れません。南風でも強い場合は潜れないこともありますが、一般的に南風となる夏のポイントです。
春や秋は海況を見ての判断となるので、潜れなかった場合はどうするかを考えておくとよいでしょう。
参考までに、エモンズは古宇利島の北側。
水深45mの海底に沈んでいます。
また、エモンズが沈んでいるのは外洋です。ときに潮の流れが速いことがあり、その時はエモンズにつかまりながらのダイビングです。ここが上級者向けのポイントと呼ばれる一つでしょう。
沖縄の海水温が気になる。。。
沖縄の年間の海水温をまとめました。
エモンズは水深45mの海底に
エモンズが眠るのは、古宇利島沖の海底です。
エモンズはもっとも深いところで海底の45mほど。浅いところでも35mです。
PADIではAOWでは30mまで、ディープSPを取得した方は40mまで潜れますよ、という定義があります。
30mで線を引いているのは、30mを超えると窒素酔いが大きくなる可能性があるからです。窒素酔いについて正しく理解して、正しく対処できる方なら、AOWを持っていれば問題ないとは思います。
窒素酔いについては、こちらが参考になると思います。
今まで窒素酔いになったことがないから大丈夫、と思っている方は危険ですよ。
窒素酔いになるかならないかは体調によっても変わりますので。
40mの水深だと、気になるのが減圧症。
減圧症にならないために、無減圧潜水時間に余裕を持って潜る必要があります。
ダイバーが聞きなれた言葉でいうと、「DECOが出ないように潜ろうね」ということです。
エモンズって深いけどDECOは出ないの?
経験を積んだダイバーならわかる、DECOの不安。
だいたい30mを超えるとDECOが出やすくなりますよね。
エモンズでDECOの心配はないの??
はい、エモンズではたいていの場合DECOが出てしまいます。
言い方を変えると、DECOが出るのは想定済み。
DECOが出たときにどうするのかがとても大切です。
そういう意味で、エモンズは上級者向けのポイントですね。
DECOが出たらどうしようとか、DECOに気づかないダイバーは危険です。
DECOはいつなら出てもよいのか。DECOが出たらどうするのか。
DECOが出たときの対処方法はインストラクターさんによってさまざまなので、必ずブリーフィングに参加してルールを頭に叩き込んでください。
- DECOが出たら、25mで1段階目の安全停止
- 超超ゆっくりと浮上するから、実質2段階の安全停止はしない などなど
どのパターンでも、安全停止の必要性をよく理解したインストラクターさんですので、安心して従ってくださいね。
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- DECOが出るまでの時間を把握すること
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- DECOが出たときの対処方法を理解していること
エモンズの全体像は、ダイバーのAceさんが作成されたマップがとても分かりやすいです。
エモンズのダイビングは、基本的に2本
エモンズは全長106mの駆逐艦。
通常のダイビングなら100mくらい泳げますが、ここは水深40m。
20分足らずでDECOが出てしまうため、船内をじっくり見て回るには時間が足りないです。
そのため、エモンズでは前半分と後ろ半分の2つのブロックに分けてダイビングを行います。
どこからエントリーするのかは、当日のお楽しみです。
ちなみに、エモンズはEn/Exの箇所にブイがうってあります。潜航ロープを使って潜航&浮上できますので、そこの心配はありませんよ。
ダイビング1本目
ここからは、私が潜ったエモンズの記録です。
古宇利島の対岸屋我地島から見た、古宇利島大橋と古宇利島。
今日はエモンズを見るぞー!(水中モードで撮ったのでホワイトバランスがおかしなことに。。。)
まずはメンバーが集まってブリーフィング。
潜る前にエントリーやエキジットの方法、流れがあったらどうするかなど、ブリーフィングします。
エモンズに向けて、出航ー!!
1本目は船尾からエントリーして、中央からエキジットしました。
エントリーしてすぐに飛び込んできたのは、巨大なスクリュー。
エモンズの後ろ側にまわって、スクリューを正面から。
パッと見は普通なのですが、このスクリューは3mはあろうかという大きさなんです。
*写真は友人のmintさんに頂きました。
振り向くと、船内に入れそうな場所が。。
よーし、入ってみようー!!
どきどき、、
残念、船内には入れません。
でも窓から中を覗くと、船内の通路が見えます。
70年以上前のものがこのように残っているんですね。
穴を潜って脱出~
覗ける場所は、どんどん覗いていきます。
うーん、撮影失敗。。
穴が小さくてストロボの光が中に当たらず><
メモリアルプレートが船の中央にあります。
中央からエントリーすると、これが最初に見えますね。
じっくり読みたいけど、これは後で見よう、、、ということで写真だけ。
名残惜しいけど、1本目終了。
今回のツアーはゆっくりと浮上するスタイルです。
また後で来るから待っててねー!!
このあと港へ戻って1時間ほど休息タイムです。
ダイビング2本目
地上でまったりした後は、本日2本目のダイビング。
エモンズがこの2本目で終わりだと思うと、ちょっと寂しい。でも興味のほうが大きい!
まだ主砲を見てないですからね!
晴天にも恵まれ、元気に出航ー!
2本目は船首からエントリーします。
暗い水底から顔を出す大きな戦艦。
迫力満点です!
こうしてみると、横たわっている様子がよくわかりますね。
そしてデカい!
さっそく見つけた覗き穴、じゃなかった窓。
なにが見えるのかなー
中を覗くために順番待ち。
待たされてるって感じる方もいますが、私はこの瞬間も結構好きです。
ワクワクドキドキが高まっていく。。。
これが船内の様子かー!
主砲の下だと思うので、射撃する兵がいるところでしょうか。
外に出て見えるのが主砲!
何度も言いますが、でかい!!
*写真は友人のmintさんに頂きました。
主砲の横をみんなで通過。大きさが良くわかりますね。
エモンズの中央部のお写真。
なにがあったところなんだろうか。
ここも気になる構造。弾薬とか積んでたのかな。
近くの敵は、これで撃ち落とすのだろうか。。
エモンズは大きい。
そういう場合は、少し離れた所から撮ると全体像が分かりやすいです。
透明度があまり良くなかったのですが、人と比べると大きさがわかるでしょうか。
これでも船首や船尾は写っていません。
エモンズの中央ブイの近くにやってきました。
名残惜しいエモンズもこれでおしまい。
最後まで粘って写真撮っちゃいます。
ちょうど下には、ツインタンクでリブリーザーを持ったテックダイバーがいました。
テックダイビング(テクニカルダイビング)は2022年のドラマDCU(Deep Crime Unit)で有名になりましたね。
2本のエモンズダイビングを終え、けっこう満足。
でも次に潜るときは落ち着いて見られそうなので、もう一度チャレンジしたい気分もあります。
アフターダイブはこちらへ
エモンズのダイビングは午前中の2本が一般的。
私が行ったことのある昼食のおすすめのお店をご紹介します。
古宇利島カフェ
古宇利漁港から400m、歩いても行ける距離にあるのが古宇利島カフェ。
店構えを取り忘れましたが、映えるお店です。
当時のメニューはこちら。
席は店内とテラス席。
店内は個室風に作られておしゃれです。
私はテラス席で頂きました。
手作り感ありますね♪
限定メニューのうに丼いくらのせを食べました。
テレビで紹介されたことのある古宇利島丼もとてもおいしかったです。
最新情報は公式のインスタをご覧ください。
古宇利島カフェの店舗情報
店名 | 古宇利島カフェ |
営業時間 | 11:00~17:00 17:00以降は予約制 |
定休日 | 不定休 |
電話番号 | 090-2754-7459 |
住所 | 〒905-0406 沖縄県国頭郡今帰仁村古325-1-1 |
地図 | Google Map |
山原そば
港から車で15分ほど走った山間にあるのが山原そば。
人気店なので12時だとかなり混んでいますが、エモンズを潜った後だとちょうどピークを過ぎているので入りやすいです。
一緒にエモンズを潜った方とお食事に行きました。
ソーキが抜群にうまい!
ソーキのインパクトに隠れそうですが、カツオだしに味噌を加えたオリジナルの味付けも絶妙です。
山原そばの店舗情報
店名 | 山原そば |
営業時間 | 11:00~15:00 |
定休日 | 月曜日、火曜日 |
電話番号 | 0980-47-4552 |
住所 | 〒905-0221 沖縄県国頭郡本部町伊豆味70−1 |
地図 | Google Map |
エモンズを潜った感想
初めて潜ったアメリカの駆逐艦、エモンズ。
一度は行ったほうがよいと友人から聞いていたのですが、なかなか機会に恵まれず2年経ってようやく行けました。
潜った後の感想は、すごかった!満足した!でした。
でも、潜ってしばらくしてから写真を眺めてみた今は、また潜ってみたいと思っています。
それは、今なら少しこだわって見れる気がするからです。
大きい船なので、全部を見るのはなかなか難しい。
次に潜るときは、ポイントを絞って観たいですね。
まだ行ったことがない方は、この記事で予習してぜひ行ってみてください。